ビジネスわかったランド (総務・庶務)

文書・通信事項

文書の保存期間と保存方法は
 法定されているものはその期間に従うとともに、重要文書はその旨を示すスタンプ等を押し、非常持出しができるように保存する。

<< 文書を保存する期間は >>

文書はいったい、どれくらい保存しておけばよいのであろうか。文書のライフサイクルを明確にするといっても、担当者各自が勝手に文書の“寿命”を決めていたのでは、組織としての収拾がつかなくなる。
そこで、各文書ごとに統一的に、作成から廃棄までの期間を決める必要がある。これが、文書保存年限である。
文書の中には、法律や通達などによって、また業種によっては、それぞれに関係する法律、監督官庁などからの通達で、保存期間を定められているものがある。こうした文書は、それに従って保存年限を定めるようにしたい。
また、その他の文書に関しては、自社でそれぞれ文書保存年限を決めるようにすればよい。
これらを一例としてまとめたのが、次の図表である。


<< 重要文書・機密文書の扱い方 >>

なかでも、保管・保存する際に最新の注意を払わなければならないのは、重要文書と機密文書である。これらは、会社にとってきわめて大切な文書なのであるから、他の文書と同じように扱っていてはいけない。

重要文書とは
重要文書とは、滅失すると業務の遂行上、大きな障害が発生する、あるいは業務運営に多大な影響を与えるものをいう。具体的には、登記簿、権利証、印鑑簿などや、契約書、各種会計帳簿などである。
注意しなければならないのは、一般社員が、何が重要書類であるか、きちんと把握していない場合である。そこで、重要文書の一覧表を作成して、保管・保存場所を明記するとともに、閲覧や取出しの規定を設け、これを明示することが必要である。
なお、重要文書は、重要度に応じて、金庫か非常持出しが可能な場所にある鍵付きロッカーに保管・保存する。
また文書には、「最重要文書」「重要文書」などのスタンプを押しておく。

機密文書とは
機密文書とは、文字どおり会社の機密に関する文書である。具体的な会社の機密事項には次のようなものがある。
1.企業の重要政策に関わる事項
2.新製品開発に関する事項
3.個人のプライバシーに関する事項
4.顧客に関わる情報
5.重要会議の議事内容
6.規程、命令でとくに機密に指定した事項
7.契約、協定、申合せなどにより機密に指定された事項
また、機密には、次の3つのレベルがあるので、それぞれのレベルのスタンプを押し、細心の注意を払うようにしたい。
・「極秘」=特別に許された人だけが閲覧できる文書
・「秘」=部課長や、業務関係者だけが閲覧できる文書
・「社外秘」=社外への公表を禁じる文書
また、不正なコピーが取られないように連番を振ることも必要であり、廃棄に当たっても、責任者立会いのもとで裁断機で裁断するなどといった方法をとるようにしたい。

<< 文書の廃棄の方法は >>

保存年限が過ぎた文書は、廃棄処分になるが、その方法には、主に次の3つがある。
1.焼却
2.払下げ
3.裁断
いずれの場合も、必ず廃棄伝票を起票し、「どの文書を」「いつ」「どのような方法で」「誰が」廃棄したのかを明らかにしておくことが必要である。

著者
橋口 寿人(経営評論家)
2007年12月末現在の法令等に基づいています。