ビジネスわかったランド (総務・庶務)
トラブル処理事項
訴訟を起こされたときの対応は
ビジネスをしていれば、何らかの紛争に巻き込まれることもある。場合によっては、訴えられるような事態もないとはいいきれない。
そんなときは、まず示談の道を探り、裁判になれば弁護士に依頼するのがベター。
<< 裁判前に示談の道を探る >>
裁判になる前に解決するのがいちばん
訴訟を提起される場合、いきなり裁判所から通知が来ることはまれで、通常は何らかの前触れがあるはずである。それは、相手方からの話合いの申し出であったり、弁護士の内容証明郵便であったりする。
そのような前触れがあったら、素早く対応するようにしたい。裁判には、余計な費用や労力がかかる。事前交渉の段階で、裁判に持ち込まれないよう最大限の努力をすべきなのである。
まずは正確な事実関係の把握を
ここでのチェックポイントは、事実関係と相手方主張の当否といえる。
正確な事実関係の把握は、あらゆる法律問題処理の第一歩である。誤った事実認識に基づいていたのでは、いつまでたっても正しい判断はできないのである。
まずは、社内の担当者をはじめその他の関係者から、十分に事情を聴取して、裏付け資料(証拠)の有無を含め慎重に検討していくことが重要だ。
相手方の主張を客観的に検討する
次に、相手方の主張の当否を判断する。
もし、相手方が事実を誤認しているのであれば、正確な事実を伝えることによって、簡単に解決するということもある。
事実認識が共通で、責任の有無に関する法的判断が分かれる場合には、できるだけ客観的な判断がくだせるように、第三者である弁護士などに相談すべきだろう。
また、当方に責任があるとしても、相手方の請求金額が適正かどうか判断に迷うような場合も、弁護士に相談して検討していくべきである。
なるべく示談の道を探る
もちろん、「何でも金で解決」式の考えではいけない。しかし、正確に事実関係を把握し、正しい法律判断に立ったうえで、冷静に相手方と交渉を進め、できることなら示談による円満解決の道を探ることは、双方にとって大切なことである。
<< 裁判になってしまったら >>
弁護士への依頼は早いほどよい
事前の話合いが決裂し、いざ裁判となると、裁判所から期日呼出状、訴訟副本と証拠書類が郵送されてくる。
呼出状の期日までには、通常1か月程度の余裕がある。しかし、弁護士への依頼は直ちに行なうべきである。直前になって依頼しても、弁護士はすぐには対応できるものではないのである。
弁護士との窓口は一本に
弁護士との窓口は、できるだけ一本化し、担当者は関係社員の事情聴取にも同席したほうがよい。
また、事実経過についての箇条書きのレポートを作成しておけば、弁護士との話も要領よく進むはずである。
弁護士費用は勝っても自己負担
ちなみに、弁護士費用は、裁判に勝っても相手方からとることはできない。残念ながら、この費用は自己負担となる。
なお、弁護士費用の敗訴者負担問題については、現在、慎重に検討が進められている。
弁護士を頼まない場合は
もっとも、弁護士に依頼せず、自分で裁判をしていくこともできないわけではない。これなら、弁護士費用がいらないから、安くすむともいえるかもしれない。
しかし、弁護士に頼まなかったばかりに、不利な判決を受けてしまったのでは、結局損害が大きくなる。そのあたりのことも、十分検討すべきであろう。
代理人が出頭できるのは簡易裁判所だけ
また、簡易裁判所では、裁判所の許可を得て、会社の担当者が代理人として裁判所に出頭することが許されているが、地方裁判所や高等裁判所では、それは認められていない。被告本人(会社ならば代表取締役)以外は、法廷に立てないのである。
著者
華学 昭博(弁護士)
2006年9月末現在の法令等に基づいています。
そんなときは、まず示談の道を探り、裁判になれば弁護士に依頼するのがベター。
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裁判になる前に解決するのがいちばん
訴訟を提起される場合、いきなり裁判所から通知が来ることはまれで、通常は何らかの前触れがあるはずである。それは、相手方からの話合いの申し出であったり、弁護士の内容証明郵便であったりする。
そのような前触れがあったら、素早く対応するようにしたい。裁判には、余計な費用や労力がかかる。事前交渉の段階で、裁判に持ち込まれないよう最大限の努力をすべきなのである。
まずは正確な事実関係の把握を
ここでのチェックポイントは、事実関係と相手方主張の当否といえる。
正確な事実関係の把握は、あらゆる法律問題処理の第一歩である。誤った事実認識に基づいていたのでは、いつまでたっても正しい判断はできないのである。
まずは、社内の担当者をはじめその他の関係者から、十分に事情を聴取して、裏付け資料(証拠)の有無を含め慎重に検討していくことが重要だ。
相手方の主張を客観的に検討する
次に、相手方の主張の当否を判断する。
もし、相手方が事実を誤認しているのであれば、正確な事実を伝えることによって、簡単に解決するということもある。
事実認識が共通で、責任の有無に関する法的判断が分かれる場合には、できるだけ客観的な判断がくだせるように、第三者である弁護士などに相談すべきだろう。
また、当方に責任があるとしても、相手方の請求金額が適正かどうか判断に迷うような場合も、弁護士に相談して検討していくべきである。
なるべく示談の道を探る
もちろん、「何でも金で解決」式の考えではいけない。しかし、正確に事実関係を把握し、正しい法律判断に立ったうえで、冷静に相手方と交渉を進め、できることなら示談による円満解決の道を探ることは、双方にとって大切なことである。
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弁護士への依頼は早いほどよい
事前の話合いが決裂し、いざ裁判となると、裁判所から期日呼出状、訴訟副本と証拠書類が郵送されてくる。
呼出状の期日までには、通常1か月程度の余裕がある。しかし、弁護士への依頼は直ちに行なうべきである。直前になって依頼しても、弁護士はすぐには対応できるものではないのである。
弁護士との窓口は一本に
弁護士との窓口は、できるだけ一本化し、担当者は関係社員の事情聴取にも同席したほうがよい。
また、事実経過についての箇条書きのレポートを作成しておけば、弁護士との話も要領よく進むはずである。
弁護士費用は勝っても自己負担
ちなみに、弁護士費用は、裁判に勝っても相手方からとることはできない。残念ながら、この費用は自己負担となる。
なお、弁護士費用の敗訴者負担問題については、現在、慎重に検討が進められている。
弁護士を頼まない場合は
もっとも、弁護士に依頼せず、自分で裁判をしていくこともできないわけではない。これなら、弁護士費用がいらないから、安くすむともいえるかもしれない。
しかし、弁護士に頼まなかったばかりに、不利な判決を受けてしまったのでは、結局損害が大きくなる。そのあたりのことも、十分検討すべきであろう。
代理人が出頭できるのは簡易裁判所だけ
また、簡易裁判所では、裁判所の許可を得て、会社の担当者が代理人として裁判所に出頭することが許されているが、地方裁判所や高等裁判所では、それは認められていない。被告本人(会社ならば代表取締役)以外は、法廷に立てないのである。
著者
華学 昭博(弁護士)
2006年9月末現在の法令等に基づいています。
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