ビジネスわかったランド (経理)

年次決算

貸借対照表は図解せよ
貸借対照表を図解すると安全性が一目瞭然となります。

貸借対照表の図解法

貸借対照表は次の順番でBOX図をつくります。


貸借対照表のBOX図(数字の順に書き込んでいく)
貸借対照表のBOX図(数字の順に書き込んでいく)

BOX図のチェックポイント

1. 「純資産」の割合がどれくらいの大きさか?

会社が持っている「資産」に対して、返さなくていいものである「純資産」がどのくらいの割合かを示す指標を「自己資本比率」といい、会社の健全性を把握するのにもっとも役立つ指標です。

自己資本比率=純資産(自己資本)÷資産合計(総資産)

業界の特性によって異なりますが、一般的には50%以上は「超優良」、30%以上は「優良」、10%未満は「危険」、マイナスは「倒産寸前」と言うように考えられています。
ここでは比率をわざわざ計算する必要はありませんが、純資産のBOXの大きさで、会社の健全性をざっくり判断します。


2. 「流動資産」と「流動負債」、どっちが大きい?

流動資産とは「1年以内にお金に変わりそうなもの」、流動負債とは「1年以内に支払わないといけないもの」でした。ということは、流動資産よりも流動負債のほうが大きければ「1年以内に倒産する危険性がある」と考えることができます。この1年以内の倒産危険度を把握する指標に「流動比率」があります。

流動比率=流動資産÷流動負債

こちらも業界の特性によって異なりますが、一般的には200%以上で「超優良」、120%以上で「まあまあ」、100%未満で「危険」と考えられています。
ここでは比率をわざわざ計算する必要はなく、BOX図で「流動資産と流動負債はどっちが大きいか?」を見て、会社の短期的な安全性を判断します。


3. 記入した個別の科目が異常値になっていないか?

BOX図には現金預金、売掛金、商品、買掛金のほか、金額が大きなものが記入されています。これらの科目の金額の大きさによって、会社の安全性に支障をきたしたり、粉飾決算の可能性があったり、経営効率の改善のヒントがあったりします。
ここでは、主要な科目が異常値になっていないかを把握しておく必要性を理解できれば十分です。

著者
香川晋平(公認会計士・税理士)