ビジネスわかったランド (経理)

在庫管理

仕販在計画・生販在計画とS&OP/PSIを行なうシステム
業務プロセスの一部を担うのには使える可能性がある

SCPとは

仕販在計画・生販在計画を自動で計画する仕組みをSCP(Supply Chain Planning)と呼びます。販売計画から自動で在庫計画を立て、仕入計画・生産計画を立案します。

2000年ごろ、自動計算システムとしてSCPが世界的ブームとなって導入されましたが、いまはあまり導入されず、逆に当時のシステムは廃棄されているケースがあります。
当時、「自動最適化計算」「全体最適」をセールストークに売り込まれたのですが、すでに述べたとおり、計画という高度な経営判断をともない、各組織の利害がからむ問題は、システムで自動的に計算できるものではないのです。

もちろん、人間の判断をはさまず短時間で計画立案ができるので、計画を自動化するには便利なシステムです。また、シミュレーションが何度もできるというのも便利ですが、必ずしも自由自在にできるわけでもありません。データ量が多く、条件が複雑なため、一度計算処理に入ると何時間もかかり、使い物にならなかった、ということもありました。
自動計算システムとして業務プロセスの一部を担わせるのには十分使える可能性がありますが、最適化のような人間の意思が入る業務はシステムでできるはずもないので、業務のなかの1機能として活用するにはいいシステムでしょう。

S&OP/PSIを行なうシステム

S&OP/PSIを行なうには、SCPなどの品目単位の自動計算を行なうシステムではあまり使い物になりません。S&OP/PSIは、単品から収益を把握したい品目カテゴリーや組織や地域に集計し、数量と金額を換算したり、為替を変えたり、予算と対比したりといった分析機能と一体になった計画機能の実装が必要なのです。

昨今、S&OP/PSIシステムと銘打ったパッケージシステムも販売されていますが、集計や分析軸は各社各様なので、結局、大幅なカスタマイズが必要になります。
高いパッケージシステムを買って、さらに莫大な改修費用を支払うのであれば、安価なデータベースシステムを購入して、自社仕様で構築していったほうが合理的との考え方もあります。

著者
石川和幸(経営コンサルタント)
2014年10月末現在の法令等に基づいています。