ビジネスわかったランド (経理)

在庫管理

複社購買とRFQ:Request for Proposal
汎用品や個別仕様のものにも使える方法

複社購買で競わせて単価を下げる

ボリュームディスカウントができない場合でも、単価を下げる方法はあります。サプライヤーを複数にし、複社購買で価格競争させることで、単価を下げるのです。
複社購買が成り立つのは、複数のサプライヤーが存在している、より汎用性が高いものです。必然的に競争がありますから、そのなかで価格が低減していくわけです。

ただし、汎用品だからといってやみくもに競争をさせて、価格のたたき合いをしてはいけません。企業倫理にも触れますし、あまり強引なやり方はサプライヤーを弱め、自社の調達安定性も危うくするおそれがあります。サプライヤーも、経済的に利益が確保できる金額を考慮すべきです。

RFP/RFQ

購入するものが汎用品ではなく、個別仕様のときもディスカウントする方法はあります。
個別仕様のものであれば、最初に仕様を示して見積もりを提示してもらいます。もし、技術的に競合するサプライヤーが存在するのであれば、複数社に価格を提示してもらい、選定の過程で価格交渉をすることができます。
こうした見積もりを取る行為は一般的ですが、用語的にはRFP(Request for Proposal:提案依頼)といったり、RFQ(Request for Proposal:見積もり依頼)といったりします。

最近では、よほどむずかしい仕様でないかぎり、独占的な技術に依存せずに済みますから、個別仕様でもRFP/RFQを提示することで、見積もり交渉の末、単価低減をすることもできます。
手間がかかるので、個別仕様でそれなりに付加価値が高い品目でないと割に合いません。

逆オークションと入札

RFPやRFQの過程は、個別仕様にする交渉で、相対でつめていくようなプロセスになります。しかし、サプライヤーから価格提案させて、さらにその価格を自由に競争させて単価を下げる方法があります。これを「逆オークション」といいます。
通常のオークションは価格がつり上がっていきますが、サプライヤー間の競争の過程で、逆に価格が下がっていくので逆オークションといわれます。
逆オークションは、入札とほぼ同じとも考えられます。期限を設け、サプライヤーに価格入札をしてもらうという点では同じものとみていいでしょう。

逆オークションや入札は汎用品でも個別仕様品でも使える方法ですが、手間がかかる点でRFPやRFQと同じです。しかし、汎用品であれば、汎用品を提示して入札させるだけなので簡単にできます。
ただし、逆オークションを行なう企業は、サプライヤーにとってよほど魅力がある納入先でないと、そっぽを向かれる可能性もあります。

著者
石川和幸(経営コンサルタント)
2014年10月末現在の法令等に基づいています。