ビジネスわかったランド (経理)

純資産関連の仕訳

[自己株式] 自己株式を消却した

設例

前項(「自己株式を譲渡した」)の残りの自己株式5,000株については、取締役会の決議により、株式の消却を行なうこととし、消却手続きが完了したので、会計処理を行なった。なお、この消却は、その他の資本剰余金の減額として処理する。

仕訳

借方 貸方
その他資本剰余金 4,000,000 自己株式 4,000,000

解説

◎処分(消却)
会社法は、「株式会社は、自己株式を消却することができる。この場合においては、消却する自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、自己株式の種類及び種類ごとの数)を定めなければならない」(会社法178条1項)と定めています。
種類株式とは、利益等の配当、残余財産の分配、株式の買受け、利益による株式の消却、株主総会で議決権を行使できる事項、当該種類の株主総会での取締役・監査役の選任に関して、株式の権利内容の異なる株式のことをいいます。

◎減額
自己株式を消却した場合、「その他資本剰余金」または「その他利益剰余金」(繰越利益剰余金)のいずれを減額するかについては、取締役会等の会杜の意思決定機関で定められた結果に従うこととされ、設例では、「その他資本剰余金」から減額する取締役会の決議によるものとしています。

◎会計処理
会計処理は、消却手続きが完了した時に行ないます。ただし、決議終了後、手続き未了の自己株式が期末日にある場合は、その自己株式の帳簿価額、種類および株式数を貸借対照表に注記する必要があります。

著者:千田喜造(税理士)