ビジネスわかったランド (経理)

純資産関連の仕訳

[資本準備金(株式払込剰余金)] 増資を行ない一部を資本に組み入れた

設例

  1. 財務体質強化のため1,000株の増資を行なうことが決議された。ただし、1株8万円とし、このうち5万円を資本に組み入れる。
  2. 払込期日である1月15日に普通預金に入金した。

仕訳

  借方 貸方
1. 仕訳なし
2. 普通預金 80,000,000 資本金
株式払込剰余金
50,000,000
30,000,000

計算

株式払込剰余金 (80,000円-50,000円)×1,000株=30,000,000円

解説

会社法445条1項では、株式会社の資本金の額は、設立または株式の発行に際して株主となる者が、その株式会社に対して払込みまたは給付をした財産の額とされています。ただし、同2項において、その払込みまたは給付に係る額の2分の1を超えない額は、資本金として計上しないことができるとし、同3項において、その場合には、資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならないとしています。
設例の場合には、3万円を組み入れないものとしています。
  1. この増資の決定は、株主総会の決議によらなければなりません。ただし、この増資に係る募集事項(数、払込金額、払込期日、払込期間、資本に組み入れない金額等)に関しては取締役会に委任することができます。
  2. 株式払込剰余金は、資本取引により発生するもので、資本準備金のうちの1つです。この勘定科目は、純資産の部の株主資本の部、資本剰余金の区分に資本準備金として表示します。

著者:千田喜造(税理士)