ビジネスわかったランド (経理)

流動負債関連の仕訳

[仮受金] 仮受金を処理した

設例

当社は3月末決算法人であり、次の決算月における処理を行なう。 [1]-1 出張中の営業担当者から普通預金に515,000円の入金があった。内容は不明である。 [1]-2 上記の入金は、得意先甲商店からの売掛金240,000円の入金と、持参していたA商品の現金売上275,000円であることが判明した。 [2]-1 子会社から当座預金に21,000円の内容不明の入金があった。 [2]-2 調査した結果、先日亡くなった前社長の葬儀に際して、当社が取りまとめて葬儀社に支払った花輪代のうち、子会社名義で献花した分であることが判明した。なお、当社はこの花輪代全額を交際費に計上していた。消費税等は仕入税額控除処理していた。

仕訳

[1] 借方 貸方
1. 普通預金 515,000 仮受金 515,000
2. 仮受金 515,000 売掛金
売上
仮受消費税等
240,000
250,000
25,000
 
[2] 借方 貸方
1. 当座預金 21,000 仮受金 21,000
2. 仮受金 21,000 交際費
仮払消費税等
19,091
1,909

解説

現金や預金等の受入れはあったが、その取引内容が確定していない場合に、仮受金という勘定科目を用います。
決算においては、仮受金の各取引の内容を正確に把握して、この勘定科目の残高をできるだけゼロにしておく必要があります。たとえば、設例の1の場合は、売上の計上漏れ、消費税等の納付漏れ、貸倒引当金繰入額の計算に影響を与え、結果として、正確な経営成績と財産債務の表示ができなくなります。

著者:千田喜造(税理士)