ビジネスわかったランド (経理)

流動負債関連の仕訳

[役員賞与引当金] 役員賞与を計上した

設例

  1. ○年3月31日、当社の決算において当期の業績に考慮して、役員賞与300万円の計上を行なう。
  2. ○年5月27日、株主総会の決議により、上記の役員賞与が株主総会の承認を得た。
  3. ○年6月15日、上記役員賞与250万円を現金で支給した。なお、支給額は源泉所得税30万円、社会保険料20万円の控除後の金額である。

仕訳

  借方 貸方
1. 役員賞与引当金繰入額 3,000,000 役員賞与引当金 3,000,000
2. 役員賞与引当金 3,000,000 役員賞与未払金 3,000,000
3. 役員賞与未払金 3,000,000 現金
源泉所得税預り金
社会保険料預り金
2,500,000
300,000
200,000

解説

  1. 企業会計基準第4号「役員賞与に関する会計基準」によると、会社法 においても役員賞与は職務執行の対価として位置づけており、従来の 「会社が獲得した利益に対するご褒美」(利益処分)的な考え方ではなくなりました。したがって役員報酬と同様に、職務執行の対価として、販売費及び一般管理費の内訳として表示されることになります(繰入額 は、全額損金にはなりません)。
    ただし、株主総会により承認されていないので、決算期においては費用計上の要件とされる確定債務という状態にはなっておらず、表示は引当金の繰入れにとどまり、負債の部では、役員賞与引当金という表示にとどまります。
  2. 株主総会により役員賞与支給に関する承認を受けると、支払うことが確定したものとして、未払金に振り替えることとなります。

著者:千田喜造(税理士)