ビジネスわかったランド (経理)
流動負債関連の仕訳
[短期借入金(役員・関係会社)] 役員から資金を借り入れた
設例
- ボーナス資金が不足したので社長から500万円を借り入れ、普通預金に入金した。なお、この返済は2か月後に完成する工事代金で返済する。
- 親会社から、短期(6か月)資金として1,000万円を借り入れ、当座預金に預け入れた。利息は後払いとする。
仕訳
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
1. | 普通預金 | 5,000,000 | 役員短期借入金 | 5,000,000 |
2. | 当座預金 | 10,000,000 | 親会社短期借入金 | 10,000,000 |
解説
- 中小企業では、借入れの融資枠、手続きの期間およびコスト、担保、利息等を考慮して、金融機関からではなく、役員から資金調達する場合が多くあります。その場合には、役員(短期)借入金という勘定科目で処理します。
財務諸表規則において、役員からの借入金が負債・純資産の合計額の100分の1を超える場合には、役員短期借入金として独立した勘定科目で表示することを求めています。それ以下の場合には、「その他」に含めて表示します。一方、会社法においては、短期借入金に含めて表示しますが、役員からの借入金額を注記に記載することが求められています。 - 親子間であっても別会社ですから、原則的に金利はなしというわけにはいきませんが、担保や返済金額、時期等は融通がきくことから、グループ意識が強く、ある程度資本関係が強固な場合、親会社が子会社に資金を融通することがあります。そのような場合に、親会社(短期)借入金で処理します。
表示は流動負債に親会社短期借入金と表示するか、または短期借入金に含めて、親会社からの借入金額を注記する方法もあります。
著者:千田喜造(税理士)
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