ビジネスわかったランド (経理)

固定資産関連の仕訳

[保険料、長期前払費用] 建物火災保険料を支払った

設例

当社(3月末決算法人)は、X年3月、当社所有の建物の火災保険料18万円(保険期間:X年3月31日からX5年3月30日)を現金で支払った。なおこの保険料の中に積立金部分は含まれていない。

仕訳

借方 貸方
保険料
長期前払費用
3,000
177,000
現金 180,000

解説

◎誤った処理
誤りやすい取引ですから注意が必要です。この取引の場合、短期前払費用の処理を利用して、支払った日から1年以内に提供を受ける保険料相当額(36,000円)を当期の費用として計上し、残りの4年分の保険料相当額(144,000円)を前払費用として処理することがありますが、それは間違った処理です。

◎「短期前払費用の処理」の再確認
短期前払費用の適用を受けることができるのは、「その支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合」であり、保険契約そのものが1年以内ということを前提としています。設例は、その支払 った日から5年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合ですから、短期前払費用に該当しません。
したがって、正しい処理、当期に対応する期間(1か月)分のみが費用 (3,000円)であり、残りの59か月分(177,000円)は(長期)前払費用となります。

著者:千田喜造(税理士)