ビジネスわかったランド (経理)

固定資産関連の仕訳

[貸倒引当金] 個別評価金銭債権の貸倒引当金を計上した(2)

設例

決算で、次の金銭債権に対して個別評価により貸倒引当金を税務上の限度額まで繰り入れる。
・ C社からの受取手形1,000万円(C社は当期中に、不渡りを2度出し、手形取引所による取引停止処分を受けている)
・ D社に対する長期貸付金500万円(2年前に、新製品開発に失敗し多大な債務を抱え、事業好転の見通しはまったくなく、担保として預かった時価50万円のゴルフ会員権以外は回収の見込みはない)

仕訳

借方 貸方
貸倒引当金繰入額 9,500,000 貸倒引当金 9,500,000

計算

(1,000万円×50%)+(500万円−50万円)=950万円

解説

形式的な基準として、個別評価金銭債権に、次に掲げるような事由が生じている場合は、その金銭債権額の50%相当額を貸倒損失の見込み額として損金経理することができます。

・会社更生法に定める更生手続きの開始申立て
・民事再生法の規定による再生手続き開始の申立て
・破産法の規定による破産手続き開始の申立て
・手形交換所による取引停止処分があったこと

また、形式的な判断ができない場合においても、債務者につき、債務超過の状態が相当期間(おおむね1年以上とし、これに諸事情を考慮する)継続し、その営む事業に好転の見通しがなく、その債権につきその取立て等の見込みがないと認められる場合には、その一部に相当する金額を貸倒損失の見込みとして損金経理できます。

著者:千田喜造(税理士)