ビジネスわかったランド （経理）
固定資産関連の仕訳
[権利金] 権利金を支払った
設例
- 期首に、ビルのテナントに事務所を賃借することとし、１か月分の賃貸料（税込みで330,000円）、60万円の敷金（退去時に全額返還）および権利金（返還されない）330万円を小切手で支払った。
- 決算にあたり、償却期間5年、当期12か月分の償却を行なう。
仕訳
| 借方 | 貸方 | |||
|---|---|---|---|---|
| 1. | 地代家賃 敷金 権利金 仮払消費税等 |
300,000 600,000 3,000,000 330,000 |
当座預金 | 4,230,000 |
| 2. | 権利金償却 | 600,000 | 権利金 | 600,000 |
計算
| 3,000,000円×0.200× | 12月 | ＝ | 600,000円 |
| 12月 |
解説
建物を賃借りした際に、権利金（返還されないもの）は、税法上の繰延資産として次のように取り扱います。
●消費税処理のポイント
返還されない権利金は、役務提供を受けるための対価として、課税取引となります。
| 種類 | 細目 | 償却期間 |
|---|---|---|
| 資産を賃借し又は使用するために支出する権利金・立退料その他の費用 | 新築に際して支払ったもので、その額が賃借部分の建築費の大部分を占めかつ事実上その建物の存続期間中賃借できるもの | その建物の耐用年数の7/10 |
| 上記以外で明渡時に借家権として転売が可能なもの | 建物の見積残存年数の7/10 | |
| その他のもの | 5年（賃借期間が5年未満で契約更新に際して再び権利金等の支払いを要することが明らかである場合は賃借期間） |
返還されない権利金は、役務提供を受けるための対価として、課税取引となります。
著者：千田喜造（税理士）
