ビジネスわかったランド (経理)

固定資産関連の仕訳

[長期前払費用] 資産を贈与した

設例

  1. 期首に当社の社名入り自動車(取得価額220万円、耐用年数6年)を当社の商品を取り扱う販売会社に贈与した。代金は通常の仕入代金の中に含まれ、買掛金で処理する。
  2. 決算にあたり、当期12か月分の償却を行なう。

仕訳

  借方 貸方
1. 広告宣伝用資産
(長期前払費用)
仮払消費税等
2,000,000

200,000
買掛金 2,200,000
2. 広告宣伝用資産償却 500,000 広告宣伝用資産
(長期前払費用)
500,000

計算

6年× 7 4.2年→4年(1年未満の端数切捨て)
10
2,000,000円×0.250× 12月 500,000円
12月

解説

税法に定められている前述以外のおもなものは次のとおりです。
種類 償却期間
ノウ・ハウ設定契約に際して支出する一時金又は頭金 5年(契約の有効期限が5年未満、かつ再契約更新時に一時金または頭金を要することが明らかな場合は契約期間)
広告宣伝用資産の贈与費用 その資産の耐用年数の7/10(最長5年)
便益を受ける費用 出版権の設定の対価 設定契約存続期間(設定がない場合:3年)
同業者団体の加入金 5年
職業運動選手等の契約金等 契約期間(定めがない場合には3年)
税法上の繰延資産については、「投資その他の資産」に長期前払費用として処理されることが多いようです。

●消費税処理のポイント
車両取得時は、課税仕入ですが、贈与時は対価がなく、対象外取引です。

著者:千田喜造(税理士)