ビジネスわかったランド (経理)

固定資産関連の仕訳

[更生債権、差入保証金、投資不動産] 得意先が会社更生法の適用を受けた

設例

  1. 売上先甲社との契約により、売掛金の回収の際に保証金として、その2%相当額を差し入れることとなっているが、今月の売掛金の回収額は98万円であり普通預金に入金した。
  2. 経営の安定化のため余剰資金で、賃貸用不動産を1億2,200万円で取得し、小切手で支払った。内訳は土地1億円、建物2,200万円(税込み)である。
  3. 得意先のH社は倒産し会社更生法の適用を受けた。H社に対する売掛金は250万円あり、売掛金から振り替えることとする。

仕訳

  借方 貸方
1. 普通預金
差入保証金
980,000
20,000
売掛金 1,000,000
2. 投資不動産(土地)
投資不動産(建物)
仮払消費税等
100,000,000
20,000,000
2,000,000
当座預金 122,000,000
3. 更生債権 2,500,000 売掛金 2,500,000

解説

  1. 設例のような差入保証金は、本来は売掛金の未回収部分であり、取引を止めた場合には当然全額返還されるものです。そのため、長期的な積立金と考え「投資その他の資産」に差入保証金として表示します。
  2. 会社が本来の営業目的ではなく、副次収入としての賃貸収入や将来の値上がり益を期待した投資目的で取得した不動産をいいます。
  3. 通常、売掛金は流動資産の部に表示しますが、会社更生法により、更生手続きが開始したような場合には、正常な営業の循環によって資金回収できず、その回収金額、時期等は明確ではありません。そこで、更生債権、または長期滞り債権として表示します。

著者:千田喜造(税理士)