ビジネスわかったランド (経理)

固定資産関連の仕訳

[借地権] 工場建設のために土地を借りた

設例

  1. 当社の第2工場建築に際して、第1工場敷地と隣接する土地を賃借する こととした。地主との交渉の結果、土地の時価相当額(1億円)の50%の権利金を支払うことで合意し、普通預金から振り込んだ。
  2. 隣接の土地を借りることとし、地主の了解を得た。ただしその土地は、相当の土盛りを要し、その土盛りおよび整地費用の550万円(税込み) は、当社が負担することとし、当座預金から支払った。

仕訳

  借方 貸方
1. 借地権 50,000,000 普通預金 50,000,000
2. 借地権
仮払消費税等
5,000,000
500,000
当座預金 5,500,000

解説

借地借家法においては、建物を所有することを目的として、地主から土地を借りて使用する権利を借地権といいます。税法においては、もう少しこの範囲が広く、構築物も対象としています。
  1. 自分の土地の上に建物という不動産が存在すると、その土地を簡単に処分(売却等)できなくなることから、借地権設定の際に、「権利金」を授受することがあります(ない地域もある)。その際に支払った権利金を借地権とします。
  2. 権利金を支払わなくても、会計上「土地を賃貸するために要した費用」が借地権であり、設例のように、土盛り、整地費用や、不動産業者の仲介手数料は借地権の取得の対価とされます。

●消費税のポイント
消費税で非課税取引となる土地には、「土地の上に存する権利を含む」とされており、借地権そのものの譲渡は非課税です。ただし、土盛り、整地等はそれぞれ課税取引となる資産の譲渡等です。

著者:千田喜造(税理士)