ビジネスわかったランド (経理)

流動資産関連の仕訳

[仮払金] 出張のために現金の仮払いをした

設例

  1. 営業担当者甲に、出張のための旅費として現金10万円を仮払いした。
  2. 甲が出張から帰り旅費の精算を行なった。内容は次のとおりである。
    金額はいずれも税込みである。
    JR代金27,500円
    ホテル代26,400円
    飲食(接待)代13,200円
    日当(3,000円×2日)6,600円
  3. 決算となり、接待用に社長に渡していた仮払金20万円については、個人的な付き合いの飲食に費消されたとのことなので、貸付金とし、翌月の役員報酬と相殺することとした

仕訳

  借方 貸方
1. 仮払金 100,000 現金 100,000
2. 旅費交通費
交際費
仮払消費税等
現金
55,000
12,000
6,700
26,300
仮払金 100,000
3. (役員)貸付金 200,000 仮払金 200,000

解説

(1) 、(2)のように、取引の金額や内容が未確定の支出を一時的に処理する際に使われるのが仮払金です。設例のような出張の際の旅費交通費にかかるもの、接待に際しての交際費にかかるものなどがあります。
(3) 仮に払ったお金ですから、必ず精算が必要です。設例のような場合、そのまま放置しておくと、税務上「役員賞与」つまり会社側からは損金不算入、社長は給与所得とされる場合もあります。また、貸付金と処理しても、金額の多寡、回収までの期間によっては、受取利息を計上しなければならない場合もあります。注意しましょう。

著者:千田喜造(税理士)