ビジネスわかったランド (経理)

流動資産関連の仕訳

[繰延税金資産] 税効果会計を適用した

設例

  1. 当社は、決算において賞与引当金を500万円繰り入れたが、当期(X期)から税効果会計を適用することとしており、そのために必要な会計処理を行なうこととする。
  2. 当社は、当期(X1期)において、決算にあたり、賞与引当金を660万円繰り入れた。なお、法定実効税率は35%として計算し、いずれの年も、法人税等は発生する見込みであり、計上するための回収可能性は十分である。

仕訳

  借方 貸方
1. 繰延税金資産 1,750,000 法人税等調整額 1,750,000
2. 繰延税金資産 560,000 法人税等調整額 560,000

計算

  1. 5,000,000円×35%=1,750,000円
  2. (6,600,000円-5,000,000円)×35%=560,000円

解説

会計上、賞与引当金およびその繰入額は、適正な損益計算と財政状態を表示するためには必要ですが、税務上は、その繰入額は損金とはなりません。

◎税効果会計
このように、税務上損金とならない賞与引当金500万円に対応する法人税等175万円に、「税金の前払い」的な処理をします(借方は「前払税金」的「資産」、貸方は「法人税・住民税及び事業税」という「税コスト」のマイナス)。このような手続きを「税効果会計」といいます。
会計上の収益・費用と税務上の益金・損金の認識のズレを調整し、企業の利害関係者に有益な情報を提供するものといえるでしょう。

著者:千田喜造(税理士)