ビジネスわかったランド (経理)

流動資産関連の仕訳

[有価証券] 有価証券を時価評価した

設例

X年6月末日(当社の決算日)、前設例におけるA社株式の決算日現在における証券取引所の終値は392円であった。

仕訳

借方 貸方
売買目的有価証券評価損 36,000 売買目的有価証券 36,000

計算

  • 評価損の金額:(1株当たり帳簿価額395円-392円)×保有株式12,000株=36,000円

解説

売買目的有価証券として処理するものは、「有価証券の売買」が定款に記載されている法人で、トレーディング業務を行なう独立した部門があり、専属に売買を担当するような人が存在し、その者が、相当数・相当金額の取引を継続的に行なっているような場合に、それらの有価証券を売買目的有価証券とするものと思われます。
売買目的有価証券は、決算時において、時価により評価し、時価との差額の損益を認識します。この損益は未実現ですが、期末時点での帳簿価格と時価との差額は、ごく短期間に実現するであろうということから、期末に評価することが求められています。
決算時において、売買目的有価証券の評価益または評価損として計上された金額は、翌期において洗替処理する必要があります。これは会社法において、時価による評価益は剰余金の分配可能額から控除されるためであり、売買に係る損益と、評価に係る損益を区分する処理が必要となります。

著者:千田喜造(税理士)