ビジネスわかったランド (経理)

流動資産関連の仕訳

[受取手形、裏書手形義務] 受取手形を裏書きした(評価勘定と対照勘定)

設例

  1. X年6月10日、A社に対する買掛金500,000円の支払いのため、手持ちの受取手形(5か月サイト)を裏書した。
  2. X年11月10日、上記の手形の期日となり、決済された。

仕訳

●評価勘定
  借方 貸方
1. 買掛金 500,000 裏書手形 500,000
2. 裏書手形 500,000 受取手形 500,000

●対照勘定
  借方 貸方
1. 買掛金
裏書手形義務見返
(裏書手形見返)
500,000
500,000
受取手形
裏書手形義務
(裏書手形)
500,000
500,000
2. 裏書手形義務
(裏書手形見返)
500,000 裏書手形義務見返
(裏書手形)
500,000

解説

受取手形は証券であり、裏書という方法により、支払い手段となります。買掛先等で必ずしも現金で支払う必要のない場合は、被裏書人(支払いを受ける者)の名前を記入して引き渡すことにより、買掛金等の支払いに充当されます。
このような取引を手形の裏書譲渡といい、その手形を裏書手形といいますが、割引手形と同様に、「評価勘定」や「対照勘定」によって仕訳を行ないます。
決算時の貸借対照表においては、遡及義務を考慮しない金額、つまり裏書手形を除いた金額を受取手形として表示し、割引手形の残高については、脚注の注記に「受取手形の裏書高 ○○○円」という形で表示することとなります。

著者:千田喜造(税理士)