ビジネスわかったランド (経理)

流動資産関連の仕訳

[譲渡性預金] 譲渡性預金の取引を行なった

設例

  1. 額面1億円の譲渡性預金を2口取得し、普通預金から振り替えた。
  2. 上記の譲渡性預金1億円(額面)を譲渡した。譲渡価額は経過利息を加え100,199,213万円(源泉所得税等15.315%、利子割5%控除後)で、普通預金に振り込まれた。
  3. 残り1口の譲渡性預金1億円(額面)が満期となり、利息80万円(源泉所得税等15.315%、地方税利子割5%控除後の金額)とともに普通預金に振り込まれた。

仕訳

  借方 貸方
1. 譲渡性預金 100,000,000 普通預金 100,000,000
2. 普通預金
仮払法人税等(国)
仮払法人税等(地方)
100,199,213
38,287
12,500
譲渡性預金
受取利息
100,000,000
250,000
3. 普通預金
仮払法人税等(国)
仮払法人税等(地方)
100,796,850
153,150
50,000
譲渡性預金
受取利息
100,000,000
1,000,000

解説

  1. 譲渡性預金とは、銀行等の金融機関が、それに対して無記名の預金証書を発行するもので、譲渡可能な期日指定の定期預金です。
    通常の定期預金は、誰の名義かが記されていますから他人に譲渡したり、また他人が解約したりすることは簡単にはできません。しかし無記名ですから、簡単に譲渡できるという特徴があります。
    その利率は、金融市場に連動していますが、最低の預入れの単位が、普通の定期預金と異なり、5,000万円以上1,000万円単位となっており、企業などが決済等に利用しているようです。
  2. 譲渡の際には、発行から譲渡時までの経過利息等を考慮して譲渡価額が決まり、額面金額を上回るときは、受取利息で処理します。

著者:千田喜造(税理士)