ビジネスわかったランド (経理)

特別損益関連の仕訳

[前期損益修正益] 前期の損益計算が誤っていた

設例

前期に取得した機械装置A(取得価額1,000万円、前期の減価償却費計上額200万円)について当期の減価償却費を計算した際、前期における期間按分計算を誤っていたため、100万円多く計上していることが判明した。そこで100万円分の前期損益の修正を行なう。なお、当社は直接減額法により表示を行なっている。

仕訳

借方 貸方
機械装置 1,000,000 前期損益修正益 1,000,000

解説

損益計算書では、あくまで当期における損益を表示することを目的としていますから、過年度の損益の修正における利益(損失)を表示する場合、特別損益の部において、前期損益修正益(損)という勘定科目を使います。企業会計原則では、この前期の損益の修正の項目として、次のものを挙げています。
  1. 過年度における引当金の過不足修正額
  2. 過年度における減価償却の過不足修正額
  3. 過年度におけるたな卸資産評価の訂正額
  4. 過年度償却済債権の取立額
なお、特別損益に属する項目であっても、金額の僅少なものまたは毎期経常的に発生するものは、経常損益計算に含めることができることとされています。

●消費税処理のポイント
前期損益修正益(損)は、対価がなく、対象外取引であり、消費税等は認識しません。

著者:千田喜造(税理士)