ビジネスわかったランド (経理)

特別損益関連の仕訳

[固定資産除却損] 固定資産を有姿除却した

設例

機械装置B(取得価額800万円、減価償却累計額700万円、処分見積価額は0円)は、従来製造してきたB製品のためのものであり、現在、当社の主力となっているA製品の製造は不可能である。また、B製品を今後製造する見込みはなく、除却することとする。ただし、業者の都合により解体、運搬費等による撤去は翌会計年度以降になる。

仕訳

借方 貸方
固定資産除却損
減価償却累計額
1,000,000
7,000,000
機械装置 8,000,000

解説

◎有姿除却とは
次に掲げるような固定資産については、たとえその資産につき解体、破砕、廃棄等をしていない場合であっても、その資産の帳簿価額からその処分見込価額を控除した金額を除却損として損金の額に算入することができます。
  1. その使用を廃止し、今後通常の方法により事業の用に供する可能性がないと認められる固定資産
  2. 特定の製品の生産のために専用されていた金型等で、当該製品の生産を中止したことにより将来使用される可能性のほとんどないことがその後の状況等からみて明らかなもの

◎除却の判断の重要性
設例のように、実際、B機械が存在していても、経済的・実質的にはその機械の価値はゼロであり、形式的に除却が認められます。反対に、再度、使用する予定があったり、他に転用の可能性があると認められる場合には、有姿除却は認められない場合がありますから、除却の判断は慎重に行なう必要があるでしょう。

著者:千田喜造(税理士)