ビジネスわかったランド (経理)

営業外費用関連の仕訳

[棚卸減耗損] 商品に減耗があった

設例

当社(石油製品等小売業)における期末の各商品の実地棚卸高および帳簿棚卸高の数量(キロリットル:KL)は以下のとおりであった。
  帳簿棚卸 実地棚卸 差引 原因
A 72.50 70.50 2 正常、原価性あり
B 65.50 56.50 9 異常、原価性なし
A商品の単価は100円/リットル
B商品の単価は110円/リットル

仕訳

借方 貸方
棚卸商品減耗損
(製造原価)
棚卸商品減耗損
(営業外費用)
200,000

990,000
商品 1,190,000

計算

A (72.50KL-70.50KL)× 100円 200,000円
B (65.50KL-56.50KL)× 110円 990,000円

解説

◎棚卸商品の「減耗」
棚卸商品の性格によっては、減損、漏洩、蒸発、粉散、盗難等により、帳簿棚卸と実地棚卸に数量の差異が発生することがあります。このような場合、棚卸減耗損の勘定科目で処理します。

◎発生原因の究明
一般的に、棚卸商品の減耗損の会計処理は、その発生原因により、正常なもの(毎期継続的、不可避的に発生するもの、原価性があるもの)については売上原価に表示し、異常なもの(盗難、私用、火災等の場合や、原因が不明で数量的に正常値を超えているような場合)は、営業外費用(特に異常な場合は特別損失)に表示することになります。

著者:千田喜造(税理士)