ビジネスわかったランド (経理)

営業外費用関連の仕訳

[支払割引料、手形売却損] 手形を割り引いた

設例

当社は、仕入先に対する支払いに充てるため、手持ちの受取手形1,000万円を取引金融機関で割引した。割引料25,000円が控除され、残額が当座預金に入金した。なお、この手形の保証債務リスクとして1%を見積もる。

仕訳

  借方 貸方
1. 普通預金
支払割引料
9,975,000
25,000
割引手形 10,000,000
2. 普通預金
手形売却損
保証債務費用
9,975,000
25,000
100,000
受取手形

保証債務
10,000,000

100,000

解説

従来は(1)のように割引料は、支払利息と同じ金融費用としての性格であり、支払割引料という勘定科目を用い、割り引いた手形に関しては、評価勘定や、対照勘定を用いて処理していました。
平成13年3月期決算より、「金融商品に係る会計基準」が適用され、手形の割引に関する会計処理は(2)のように、手形売却損という考え方に変わりました。

◎手形の売買に係る損失
つまり、従来は、手形を担保にお金を金融機関等から借りていると考えていたのに対して、手形を割り引くという行為は、一種の債権の譲渡とする法律行為という考え方が会計の分野でも受け入れられたからです。そして、割り引いた手形が決済されるまで、貸倒れのリスクを考慮し、保証債務費用として貸倒引当金相当額を計上することになりました。ただし、貸倒れのリスクがまったくないと判断される場合は、保証債務費用を計上する必要はありません。

著者:千田喜造(税理士)