ビジネスわかったランド (経理)

営業外収益関連の仕訳

[有価証券売却益] 有価証券を売却し利益があった

設例

上場しているA社株式(一時所有目的で購入)を600,000円で売却した。このA株式の簿価は315,000円であり、売買手数料6,900円および消費税等690円が控除されて、残額が普通預金に振り込まれた。

仕訳

  借方 貸方
純額表示 普通預金
仮払消費税等
592,410
690
売買目的有価証券
売買目的有価証券売却益
315,000
278,100
総額表示 普通預金
支払手数料
(営業外費用)
仮払消費税等
592,410
6,900

690
売買目的有価証券
売買目的有価証券売却益
315,000
285,000

解説

一時所有(売買目的)の有価証券の売買に関する売却益は、それを事業目的としない限り、売買目的有価証券の勘定科目を用い、その売却益に関しては、売買目的有価証券売却益の勘定科目で、営業外利益の部に表示します。

◎損益の認識と表示方法
売却損益の認識方法は、「純額表示」と、「総額表示」方法があります。どちらも結果的には損益の額は同じですが、総額表示で仕訳する場合の支払手数料は、販売費・一般管理費ではなく、営業外費用の支払手数料となります。

●消費税処理のポイント
株式の譲渡は、有価証券の譲渡に該当し、非課税取引です。ただし、その際、支払う手数料には消費税等が課税されます。課税売上割合が95%未満の場合の仕入税額控除において、個別対応方式を採用している場合は、非課税売上に対応する課税仕入等に区分します。

著者:千田喜造(税理士)