ビジネスわかったランド (経理)

営業外収益関連の仕訳

[雑収入] 保険事故が発生した

設例

工場の一部が消失し、保険金100万円が普通預金に振り込まれた。この長期総合保険契約に関して、保険積立金が200万円計上されているが、保険事故発生後もこの保険契約は失効していない。

仕訳

借方 貸方
普通預金 1,000,000 雑収入 1,000,000

解説

◎保険積立金の取崩し
損害保険契約に係る火災等の保険事故が発生して損害保険金の支払いを受けたときは、その額を、その支払いの確定した日の属する事業年度の収益として処理します。原則的には、損害保険契約について、資産計上された積立保険料相当額がある場合は、その額を損金の額に算入(雑収入と相殺)することになります。

◎保険積立金を取り崩さない場合
しかし、次の(1)~(4)に掲げる保険契約については、保険事故が発生しても契約が失効せず、保険金額が自動的に復元することとされています。つまり、積立保険料相当額は引き続き契約保険金額の全額を担保しているので、保険期間の満了、保険契約の解除等の時までは、資産計上しておき、収入保険金のみが収益となります。
  1. 1回の保険事故による支払保険金が保険金額の80%以内の場合……長期総合保険、満期戻長期保険、建物更新保険
  2. 自然災害による1回の支払共済金が災害時における共済金額の20%未満の場合……建物更生共済
  3. 支払共済金の合計額が共済金額未満の場合……建物更新共済
  4. 1回の保険事故による支払保険金が保険金額未満の場合……満期保険

著者:千田喜造(税理士)