ビジネスわかったランド (経理)

営業外費用関連の仕訳

[有価証券評価損] 上場株式の評価損を計上した

設例

その他有価証券として処理している上場有価証券D株式(10,000株、1株当たり5,000円)が、社内の不祥事により業績が極めて悪化し、期末時点での時価が2,500円となり、回復の見込みはまったくない。

仕訳

借方 貸方
有価証券評価損 25,000,000 その他有価証券 25,000,000

解説

法人税法では、有価証券については売買目的有価証券、満期保有目的等有価証券およびその他有価証券の3つに区分し、原則的に売買目的有価証券以外は、期末時点において時価評価しないこととしています。
ただし、会社更生法、会社法等により評価替えを行なうような場合に加え、市場価額のある有価証券については、(1)価額の著しい低下(おおむね50%相当額)かつ、(2)近い将来回復の見込みがないという場合において、評価替えを行なうことを認めています。

◎著しい低下
その有価証券の期末時価が帳簿価額の50%相当額を下回ることとなった場合をいうものとされています。これは、一般的に株式の相場は20%~30%程度の価額の変動があり、この程度の低下は回復に長時間を要しないものとして定められたものと思われます。

◎近い将来回復見込み
この要件は、企業会計原則等においても定められており、法人税法においてもこの考え方に合わせたものと考えられます。ただし、評価損の計上については、会社の主観的な判断によらざるを得ませんが、下落に至った原因、当該有価証券の過去の価格推移、会社の経営成績、財政状態等を勘案して行なうことになります。

著者:千田喜造(税理士)