ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[賃貸料] 賃貸建物の損害保険料を支払った

設例

当社が賃貸している本社建物(所有しているのは、個人Aであるが、当社とは、同族関係等のない個人である)に係る保険料は、損害保険会社と個人Aが契約(契約期間は3年以上で、満期返戻金のある長期損害保険契約)しているが、保険料48,000円は当社が負担しており、現金で支払った。

仕訳

借方 貸方
賃貸料(保険料) 48,000 現金 48,000

解説

火災保険契約は、通常、自己の所有する建物等を対象として自己が保険契約者および被保険者となるのですが、設例のように、他人が所有する建物等を対象として行なわれることもしばしば見受けられます。

◎「第三者のためにする契約」とは
これを、民法上では「第三者のためにする契約」(民法537~539)といいますが、この場合には、損害保険金の請求権は被保険者(保険利益を有する者、すなわち建物等の所有者)に、満期返戻金、解約返戻金等の請求権は保険契約者に存することになります。そこで、法人が、賃貸している建物等(その役員または使用人の所有する建物の場合を除く)に係る長期の損害保険契約について保険料を支払った場合には、次のように扱われることとなります。
  1. 法人が保険契約者となり、その建物等の所有者が被保険者となっている場合……積立金相当額は資産に計上し、保険金の原資となる掛け捨て保険料部分は費用に計上する。
  2. その建物等の所有者が保険契約者および被保険者となっている場合……その支払保険料全額がその建物等の賃貸料として、期間の経過に伴って費用化される。

著者:千田喜造(税理士)