ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[減価償却費] 定率法で減価償却費を計上した(2)

設例

当社(暦年決算)は、取得後6年経過した次の備品(取得価額100万円、償却累計額737,856円、耐用年数10年、定率法による償却率0.200、改定償却率0.250、保証率0.06552)の減価償却費を、税法の限度額まで計上する。

仕訳

借方 貸方
減価償却費 65,536 減価償却累計額 65,536

計算

(ア)通常の減価償却費の計算
(1,000,000円-737,856円)×0.200=52,428円

(イ)償却保証額の計算
1,000,000円×0.06552=65,520円

(ウ) (ア)<(イ)より
(改訂取得価額)
(1,000,000円-737,856円)

×
(改定償却率)
0.250


65,536円

解説

改正前の定率法では、償却費が毎年一定の割合で逓減しますが、耐用年数を経過しても、まだ、帳簿価額が残っているという矛盾がありました。

◎償却保証額との比較
そこで、一定の年度が経過した資産につき、その通常の償却率を乗じて計算した減価償却費の金額と償却保証額(取得価額×保証率)とを比較します。償却保証額に満たない場合には、改訂取得価額(取得価額-減価償却累計額)に、法定の改定償却率を乗じたものを減価償却費として計上します(これ以降、その法定耐用年数の最終年度を除き、毎年同一の償却費を計上します)。これによって、法定耐用年数内に取得価額のほぼ100%が償却できるようになりました。

著者:千田喜造(税理士)