ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[寄附金] 子会社に資産を低額譲渡した

設例

当社がその発行済み株式の100%を保有するA社に対して、当社が所有する土地(時価5,000万円、帳簿価額1,000万円)を2,000万円で売却し、普通預金に入金した。なお、売却価格はA社の将来の事業展開を考え、負担のかからない金額として決定したものである。

仕訳

  借方 貸方
当社 普通預金
寄附金
20,000,000
30,000,000
土地
固定資産売却益
10,000,000
40,000,000
A社 寄附金 50,000,000 支払手形
受贈益
20,000,000
30,000,000

解説

◎会社間の取引における寄附金
会社がその子会社や関連会社等の間で土地の譲渡等をする際に、寄附金という勘定科目が顔を出すことがあります。

◎時価とは
一番の問題は、「時価」です。設例の場合、5,000万円の価値のある土地を2,000万円で売却するのですから、差額の3,000万円は子会社に対する「無償の経済的利益の供与」、つまり寄附金となります。
そうなると、損金不算入額の計算をしなければならない一般の寄附金が3,000万円ですから、取引を誤ると大変な税負担になります。

◎寄附を受けた側の処理
一方、子会社Aも時価5,000万円の土地をわずか2,000万円で取得できたのですから、3,000万円が儲かった(受贈益)ということになり、これも、多額の税負担となる場合がありますから、このような取引に関しては、十分検討したうえで行なう必要があります。

著者:千田喜造(税理士)