ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[寄附金] 子会社に対して支援をした

設例

当社の100%子会社であるY社に対しては1,000万円の貸付金があるが、Y社は発足して間もないため、貸付金に係る利息相当額は免除することとした。なお、この貸付金は、Y社に貸し付けるため、当社が全額、金融機関から市中金利相当の金利年2.5%で借り入れたものである。

仕訳

借方 貸方
寄附金 250,000 受取利息 250,000
※この仕訳は、税務的な考え方によるもので、会計上必ず仕訳処理されるものではありません。

解説

寄附金というと、祭礼の際の支出や盆踊り等の町内の行事に関係するものなどを考えがちですが、税務上の寄附金は、一般的に考えられる寄附金よりもかなり広義なものです。税務では、取引の相手に無償で物品や金銭を渡した場合はもちろんですが、設例のように、経済的利益を与えた場合も、その経済的利益の額が寄附金とされる場合があります。
これ以外でも、上記の貸付金の返済を免除(この場合は免除した額が寄附金)するとか、土地を時価よりも不当に低い価額で譲渡(この場合は時価と実際に譲渡した金額の差額が寄附金)した場合なども該当します。

◎「合理的な理由」の存否
ただし、合理的な理由があれば話は別です。子会社が債務超過状態で、親会社がこのまま放置しておくと倒産するため、金融機関等と協議し、再建計画の中で利息を免除することになったのであれば、それを寄附金とすることには無理があります。
いずれにしても、一般的に考える寄附金よりも税務上の寄附金は広義であることを理解する必要があります。

著者:千田喜造(税理士)