ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[仮払金、寄附金] 寄附金の支払いと処理方法

設例

  1. 当社(暦年決算)は、町内会に現金で10万円を寄附したが、当会計年度は、一般の寄附金に関する損金算入限度額が一杯になっているので仮払金としている。
  2. 同じく、市立小学校に備品の寄附をすることとしたが、実際にその備品が必要となるのは4月以降のため、12月25日に3月末期日の支払手形で50万円支払った。

仕訳

  借方 貸方
1. 仮払金 100,000 現金 100,000
2. 寄附金 500,000 支払手形 500,000

解説

◎処理のタイミング
仕訳は上記のとおりですが、税務上の寄附金として認識する時期に注意が必要です。(1)はすでに支払いがされていますから、会計処理が仮払金となっていても、税務上は寄附金の計算をします。その代わり、翌期に寄附金に振り替えても税務上の寄附金の計算をしません。反対に、(2)は支払手形を振り出していますが、支払う約束をしただけであり、現実の支払いには該当せず、税務上の寄附金とはしません。支払手形が決済された時点で税務上の寄附金とします。

◎いつの寄附金か
いずれの場合も、実際に金銭等の支払いがあった時点を基準としています。それは、寄附は贈与の一形態であり、本来は贈与契約書等を取り交わすことにより、贈与者と受贈者の権利義務が確定するのですが、寄附に関してはこのような書類を取り交わすことが通常ではなく、その取引の事実を確認できないため、「支出」があった時点で寄附をとらえるのがもっとも確実という趣旨でしょう。

著者:千田喜造(税理士)