ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[旅費交通費] 海外出張費用を支払った

設例

役員Cは、新規製品開発のため、欧州に出張し、機械メーカーX社を視察し、またその新製品の共同開発の契約をY社と結んだ。その海外渡航費用として80万円を旅行会社に現金で支払った。国内部分の金額はない。
また、上記金額には、現地の日曜日に行なった観光費用の額2万円が含まれているが、出張内容はほぼ100%業務である。

仕訳

  借方 貸方
旅費交通費 800,000 現金 800,000

解説

主目的が業務であるが、観光も行ったという場合には、その費用を合理的に按分する必要があります。それには、1日の業務時間をおおむね8時間、全日程をおおむね0.25日(2時間)単位で次のような分類をします。
  1. 視察、商談等の業務の日数
  2. 観光を行なった日(月曜日から金曜日までに限る)
  3. その他の日数(帰国準備や土曜日、日曜日の観光)
  4. 旅行日(往復の旅行、次の目的地への移動など)
これにより、旅行の行程[(1)+(2)]に占める業務(1)の割合を求めます。
この業務が
・90%以上であれば、全額が業務に要した費用
・50%以上であれば往復の旅費を除いて按分計算
・10%以下であれば給与
とし、上記以外であれば渡航費用総額を按分計算することになります。

●消費税処理のポイント
国外への出張は、対象外の取引であり課税仕入に該当しません。

著者:千田喜造(税理士)