ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[従業員賞与] 賞与を支給した

設例

  1. X社は、従業員(販売・管理部門のみで製造部門等はない)に夏の賞与600万円を、源泉所得税30万円を控除後、現金で支払った。なおX社は毎月、賞与引当金の繰入れをしていない。
  2. X社は、使用人兼務役員に夏の賞与96万円を源泉所得税10万円分を控除後、現金で支払った。なお、この金額は使用人分(使用人分の基本給の2月分)として、他の使用人の基準と同じである。

仕訳

  借方 貸方
1. 従業員賞与
(または給与)
6,000,000
 
現金
預り金
5,700,000
300,000
2. 従業員賞与
(または給与)
960,000
 
現金
預り金
860,000
100,000

解説

  1. 従業員に対する賞与は、従業員賞与という勘定科目を使い独立して表示する方法と、毎月給与に含めてしまう方法があります。最終的な決算書では、まとめて給与という科目で表示するとしても、試算表等の段階における勘定科目を考える際には、賞与は臨時的な給与ですから、経営上の判断材料とするためにも独立した科目で処理するのが良いと思われます。
  2. 使用人兼務役員(役員のうち、部長、課長等の職制上の地位を有し、かつ常時使用人としての職務に従事している者)に対する賞与について、損金(税務上の費用)とするには、
    (1)使用人の賞与の支給時期と同時に支給すること(未払金経理ではなく、実際に支給すること)
    (2)使用人の賞与として適正な額であること
    である必要があります。

著者:千田喜造(税理士)