ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[租税公課] 交通反則金を支払った

設例

  1. 当社の従業員Aが、業務により出張中、スピード違反で捕まった。得意先からの急な納品依頼であり、本人に負担させることも酷と思われ、交通反則金20,000円を現金で支払った。
  2. 役員A(専務)が、業務終了後、駐車違反で車をレッカー移動され、反則金10,000円とレッカー移動料金、保管料21,000円を当社が負担し、現金で支払った。なお、この駐車違反は、当社の業務とは関係ない。

仕訳

  借方 貸方
1. 租税公課 20,000 現金 20,000
2. 給与
(役員賞与)
31,000 現金 31,000

解説

  1. 法人がその役員や従業員に対して課された罰金、交通反則金等を負担した場合、その反則金等が法人の業務遂行上の取引を起因とするものであっても、損金とはなりません。したがって、設例のように租税公課として処理した場合、法人税における所得計算の別表4において「加算」という税務調整をします。
  2. 法人がその役員や従業員に対して課された罰金、交通反則金等を負担した場合、その反則金等が、法人の業務遂行上の取引を起因とするものでない場合は、本来法人が負担すべき支出ではありませんから、租税公課であるか否か以前の問題であり、その本来負担すべき者に対する給与となります。設例の場合は、役員なので、損金不算入の役員給与ということになります。

●消費税のポイント
駐車違反の際のレッカー料金や駐車保管料は、移動措置に伴う損害賠償金に相当し、仕入税額控除できません。

著者:千田喜造(税理士)