ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[広告宣伝費] テレビCM契約を交わした

設例

×年3月20日、当社(3月末決算)の知名度を上げるため、K放送局と週1回(合計12回)のテレビコマーシャル放映契約を交わし、その費用2,592,000円(消費税込み)を小切手で支払った。なお、×年3月末現在、2回のテレビ放映があった。

仕訳

借方 貸方
広告宣伝費
仮払消費税等
前払金
400,000
40,000
2,200,000
当座預金 2,640,000

解説

テレビコマーシャルも広告宣伝の一つの手段であり、支出時に金額を一時に損金とする処理が認められないか検討すべきですが、この処理は、
 
  1. 一定の契約に従って継続的にその期間中に等質、等量のサービス提供を受けるものであること
  2. 役務提供の対価であること
  3. 翌期以降において時の経過に応じて費用化されるものであること
  4. 現実にその対価を支払っていること
     
という要件を満たす費用のうち、支払日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを短期前払費用といい、法人が支出日の属する事業年度で損金の額に算入しているときは、これを認めることにしているのです(ここでは「短期前払費用の取扱い」とする。)

◎前払金と前払費用の違いに注意
設例の場合、テレビコマーシャル料は、時の経過に応じて費用化されるものでもなく、一定の時期に特定のサービスを受けるためにあらかじめ支払った費用ですから、前払費用ではなく前払金であり、「短期前払費用の取扱い」の適用を受けることはできません。

著者:千田喜造(税理士)