ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[役員退職金] 役員に退職金を支給した

設例

  1. 取締役甲が高齢であることを理由に退職となった。X年5月、定時株主総会において退職金2,000万円を支給する決議があり、翌6月、現金で支払われた(源泉所得税は考慮しない)。
  2. X年1月、取締役乙が死亡退職となった。役員の退職給与規定により1,000万円支給することが取締役会において決議され、現金で支払われた(株主総会は平成X年5月の予定である)。

仕訳

  借方 貸方
1. 役員退職金 20,000,000 現金 20,000,000
2. 役員退職金 10,000,000 現金 10,000,000

解説

◎処理のタイミング
設例(1)のように、費用として計上する時期の基本は、株主総会において決議された年(その年度)です。ただし、(2)のように、取締役会で内定した金額を、その実際に支給した日の属する年度で計上することもあります。

◎不相当に高額な退職金
役員の退職金の性格は、
  1. 過去における勤労の対価、つまり「報酬の後払い」
  2. 在任期間中における報奨、つまり「利益の分与」
という2つの性格があるといわれています。不相当高額の退職金については、損金不算入の規定があります。

◎判断基準
不相当高額であるか否かは、その役員の業務従事期間、退職事情、同種・同規模の他の法人との支給状況等を比較して判断します。

著者:千田喜造(税理士)