ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[従業員賞与] 未払いの賞与を処理した

設例

  1. 当社(6月末決算)は、6月30日に従業員に夏の賞与に関して、各人の支給額を確定し、各人に通知した。総額で300万円である。
  2. 上記の賞与を7月10日に支給した。源泉所得税等40万円を控除して普通預金から支払った。

仕訳

  借方 貸方
1. 従業員賞与 3,000,000 未払金 3,000,000
2. 未払金
 
3,000,000
 
普通預金
預り金
2,600,000
400,000

解説

期末時点で、従業員に対する給与が未払いであっても、次の3つの要件を満たす場合には、その賞与の費用計上が認められます。
  1. その支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての使用人に対して通知していること
  2. (1)の通知をした金額をその通知したすべての使用人に対し、その通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から1月以内に支払っていること
  3. その支給額につき、(1)の通知した日の属する事業年度において費用として処理していること
上記の3つの要件を満たすということは、従業員一人一人に対する債務が期末時点で確定しているということです。

◎債務確定とならない場合
もし仮に、賞与規程の中に、「賞与支給時に在職する者に限る」という条件が入っている場合は、期首から賞与支給時までに退職する者がいるかもしれませんから(設例では7月1日から10日まで)、債務確定とはいえず、未払い計上は認められません。

著者:千田喜造(税理士)