ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[貸倒損失] 売掛金が回収不能となった(1)

設例

会社更生法により更生手続き中であったA社の、更生計画の認可決定により、当社のA社に対する債権(売掛金)880万円のうち90%が切り捨てられ、残額が普通預金に入金した。なお、この債権はすべて課税取引(消費税等の税率8%)にかかるものである。

仕訳

借方 貸方
貸倒損失
仮受消費税等
普通預金
7,200,000
720,000
880,000
売掛金 8,800,000

解説

法人の有する金銭債権について次に掲げる事実が発生した場合には、その金銭債権の額のうち、会社更生法等による更生計画の認可の決定または民事再生法の規定による再生計画の認可の決定があった場合において、これらの決定により切り捨てられることとなった部分の金額は、その事実の発生した日の属する事業年度において貸倒れとして損金の額に算入することとなります。

◎会計上の貸倒れと税務上の貸倒れ
会計上は利害関係者に対して、適切な情報を提供するため、その債権を早期に貸倒損失として処理する場合がありますが、法人税では計上のタイミングが早すぎるとされることがあり、注意が必要です。というのは、法人税法では、貸倒処理というのは内部取引であり、恣意性が介入しやすいため、計上のタイミングを厳格にしているからです。

●消費税のポイント
貸倒れがあった場合、その債権が課税取引にかかるものであるときは、その回収不能額から仮受消費税等相当額を控除します。

著者:千田喜造(税理士)