ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[保険料] 被保険者が社員となっている保険料を支払った(1)

設例

当社は、役員、従業員(全員)を被保険者として、生命保険契約を結んだ。その内容は、死亡保険金1,000万円の定期保険で、受取人は当社であり、月払いの保険料30万円を小切手で支払った。

仕訳

借方 貸方
保険料 300,000 当座預金 300,000

解説

火災保険契約は、通常、自己の所有する建物等を対象として自己が保険契約者および被保険者となるのですが、設例のように、他人が所有する建物等を対象として行なわれることもしばしば見受けられます。

◎「第三者のためにする契約」とは
現在、保険商品の種類は数多くありますが、基本的には、
  1. 死亡保険(被保険者が死亡した場合に保険金を支払う保険)
  2. 生存保険(被保険者が一定期間経過時に生存している場合に保険金を支払う保険)
  3. 生死混合保険(被保険者が保険期間中に死亡した場合は死亡保険金を支払い、一定期間経過時に生存していた場合には満期保険金が支払われる保険)
に分類されます。ただし(2)の生存保険のみでの販売(契約)はなく、(1)と(2)を混合した、(3)の生死混合保険という形態で流通しています。

◎定期保険
(1)の代表的なものが定期保険です。定期保険は、一定の保健機関に被保険者が死亡した場合にのみ保険金が支払われるものです。

◎保険料の中身
この保険料の内容は、死亡保険金に充当される危険保険料と生命保険会社の事務経費に充当される付加保険料のみで貯蓄性はなく、いわゆる“掛け捨て保険”と呼ばれています。つまり、定期保険の保険料を支払った場合には、その中に積立部分の保険料相当額はなく、時間の経過とともに費用化していくこととなります。設例のように、1か月分の保険料というのであれば、支払保険料をそのまま費用として処理することになります。

著者:千田喜造(税理士)