ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[交際費等] 役務提供に対して謝礼を支払った

設例

当社は不動産の仲介を業としているが、今回大手スーパー進出に際して大幅な土地の売買の仲介を行なった。その際に、地元の大勢の地主を取りまとめてくれた地元の有力者「甲」に、手数料として200万円を現金で支払った。なお、「甲」は不動産の仲介等を業とする者ではなく、今回の手数料の額も、当社において一方的に決定した額である。

仕訳

借方 貸方
交際費 2,000,000 現金 2,000,000

解説

設例のような支出が手数料(単純損金)となるためには、次のような要件が必要と考えられます。
 
  1. 役務提供との間に明確な対価関係があること
  2. 「正当な対価」であること
  3. 契約関係に基づく義務的な支出であること

◎「情報提供料」との違い
これは「[支払手数料] 情報提供料を支払った」の例と類似していますが、対照的であり、手数料の支払いは、いずれもあらかじめ締結された契約に基づくものではありません。それは相互に義務付けられたものではなく、その金額も一方的に決められるもので、それについて「甲」は、提供した役務について、何らかの契約に基づいて、その対価を会社に対して請求できるものではありません。

◎取引の意図
したがってこの支出は、地元有力者から、今後とも種々の便宜を受けることができるように、交際・接待の目的をもって支出したものであり、謝礼、贈答またはこれらに類する行為のために支出した金員であると認められるので、交際費等に該当すると考えられます。したがって、会計処理上、支払手数料で処理しても、税務上は交際費等に該当します。

著者:千田喜造(税理士)