ビジネスわかったランド (経理)

固定資産関連の仕訳

[貸倒引当金] 貸倒引当金を計上した

設例

当社(資本金10億円、製造業)は、決算に際して、貸倒引当金を計上する。
売掛金2億5,000万円のうち5,000万円は債務超過の状態がここ3年ほど続いているA商店に対するものであり、取引保証金500万円を残した残額を貸倒引当てする。それ以外の30社分の売掛金については、過年度の実績から1%を計上する。

仕訳

借方 貸方
貸倒引当金繰入額 47,000,000 貸倒引当金 47,000,000

計算

(5,000万円-500万円)+ {(2億5,000万円-5,000万円)×1%} 4,700万円

解説

期末時点の受取手形、売掛金、貸付金等の債権に対して翌期に発生するであろう貸倒見積額をあらかじめ貸倒引当金として計上します。
「金融商品に係る会計基準」では、債権をその債務者の財政状態や経営成績等に応じて、(1)「一般債権」(経営状態に重大な問題が生じていない債権)、(2)「貸倒懸念債権」(経営破綻の状態には到っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じているか、生じる可能性の高い債権)、(3)「破産更生債権等」(経営破綻または深刻な経営難状態に陥っている債権)に区分します。
貸倒見積額の算出方法は、総括的引当法と、個別的引当法がありますが、具体的に(1)は、貸倒実績率法等により総括的に見積もり、(2)は(ア)財務内容評価法や(イ)キャッシュフロー見積法により、(3)は、債権額から、担保の処分見込額および保証による回収見込額を減額し、その残額を貸倒見積額とする個別的な引当方法によるのが一般的です。

著者:千田喜造(税理士)