ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[法定福利費] 労働保険料を支払った

設例

当社(3月末決算)は、X年7月10日に労働保険の申告をし、同時に50万円を当座預金より支払った。内訳は、概算保険料45万円(事業主負担分31万円、従業員負担分14万円)、確定保険料の不足分5万円(事業主負担分34,000円、従業員負担分16,000円)である。なおX年3月末の決算において事業主負担分34,000円は未払費用計上済で、従業員負担分は7月10日現在未処理である。

仕訳

借方 貸方
法定福利費
立替金(概算分)
未払費用
立替金(確定分)
310,000
140,000
34,000
16,000
当座預金 500,000

解説

◎労働保険料の申告と納付
法人は、その使用人につき、労働者災害補償保険および雇用保険(以下「労働保険」とする)に加入しなければならず、その保険料(労働保険料)については、毎年7月10日までに、(1)前年度の実績に基づいた「概算保険料」と、(2)当該保険年度の実績に基づいた「確定保険料」を申告・納付(充当もしくは還付)することになっています。

◎処理の仕方
概算保険料には、被保険者である使用人の負担(立替金)部分と事業主負担分が含まれており、本来は前払費用として経理したうえで、その保険期間の経過に応じて損金の額に算入することになりますが、短期前払費用(法人税基本通達2-2-14)の取扱いで、法定福利費として処理することができます。
確定保険料は、給与総額を基準として3月末には労働保険料が確定しますから、事業主負担分を未払計上することも認められます。

著者:千田喜造(税理士)