ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[給与] 出向社員に対する給与の格差負担金を支払った

設例

当社は、子会社Tに使用人丙を出向させているが、現在、当社と出向元法人の給与水準(基本給等)に格差があるために、その給与格差20万円を普通預金より支給した(源泉所得税は考慮しない)。

仕訳

借方 貸方
給与 200,000 普通預金 200,000

解説

出向させている使用人に対する給与相当全額を、出向先法人から収受できず、出向元法人が一部負担する場合があります。
出向元法人と出向者の間に雇用契約がある以上、出向者は、従来どおりの労働条件を出向元法人に求める権利があり、出向先法人が、その出向者の給与相当額を負担できない合理的な理由があれば、出向元法人がその差額を支給しなければならないということになります。

◎負担金の性格
そのような場合、出向元法人からその出向者に対して支給される金額は、基本的には雇用契約に基づくものであり、出向者の役務提供が出向先法人でなされていても、その役務提供は出向元法人の業務との関連性もあることから、単なる贈与的な性格の出金ではなく、出向元法人において損金の額に算入されます。

◎負担金の生ずる例
設例のような場合以外にも、例えば、
・出向先法人が経営不振で賞与の支給が困難な場合
・子会社である出向先法人が海外にあるために、出向元法人が支給するいわゆる留守宅住宅手当
などの場合にも適用されます。

著者:千田喜造(税理士)