ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[役員退職金] 役員退職金を分割で支給した

設例

  1. X年5月、株主総会において、代表取締役Aの退任および退職金(1,500万円)を決定した。ただし、資金繰りの事情から当期より3期にわたり、500万円ずつ分割して支給することとした。本年分を現金で支払い、残りを未払金計上した(源泉徴収は考慮しない)。
  2. X1年5月、前年度の決議に基づき、Aに対して500万円を普通預金から振り込んだ。

仕訳

  借方 貸方
1. 役員退職金 15,000,000 現金
未払金
5,000,000
10,000,000
2. 未払金 5,000,000 普通預金 5,000,000

解説

◎原則的取扱い
退職金は、「株主総会等で具体的に確定した日」に、その決められた全額を一時に支払うのが一般的と考えられます。
しかし、その金額によっては、資金繰りが困難になり、分割するということもあります。ただし、そのような場合においても、支給方法は、いつ、いくら、どのように支払うかを、具体的に決定しておく必要があります。また、分割といっても、5年を超えるような場合、退職一時金ではなく、退職年金ということになり、税務上の取扱いも異なります。一般的には3年ほどが分割払いの限度かと思われます。

◎例外的取扱い
退職給与の額を実際に支給した年度において処理する方法もあります。これは、役員給与の支給実態を考慮した例外的な扱いですが、たとえば、株主総会等で1,500万円支給する決議だけしておいて、利益の出た年度で計上するというような処理は、税務上、問題となるでしょう。

著者:千田喜造(税理士)