ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[従業員退職金] 従業員に退職金を支給した

設例

従業員A(勤続年数25年)が退職し、就業規則の中の退職給与規定に定める退職金900万円を普通預金より支払った。

仕訳

借方 貸方
従業員退職金 9,000,000 普通預金 93,000,000

解説

退職金は、退職を起因として支払われるもので、過去の勤務を対価とするものです。
「役員報酬を支払った(1)」のとおり、会社と役員、会社と従業員との関係は大きく異なり、前者は「委任」、後者は「雇用」となっています。役員の退職金は、一般的には、その者の会社に対する貢献度等を勘案して、株主総会等で決定されます。一方、従業員の退職金に関しては、通常、労働基準法等を考慮して会社が定めた給与規定(退職給与規定)等に基づいて支給されることになります。

◎退職金の取扱い(源泉徴収)
支給を受ける従業員については、その収入は退職所得という形で課税を受けることになりますが、会社(支払者)は、所定の手続きにより、その退職者の勤続年数を基として、次の計算式により計算した退職所得控除額を超える場合には、源泉徴収が必要となります。
勤続年数 退職所得控除額
20年以下の場合 40万円×勤続年数
20年を超える場合 800万円+70万円×(勤続年数-20年)
設例の場合は25年勤続なので、
800万円+70万円×(25年-20年)=1,150万円>900万円
となり、源泉徴収する必要はありません。

著者:千田喜造(税理士)