ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[賞与引当金] 賞与引当金を繰り入れた

設例

  1. Y社は、従業員(販売・管理部門のみで製造部門等はない)の賞与支給に備えて今月(7月)も、80万円計上する。
  2. 同時に、Y社は今月(7月)、従業員に夏の賞与480万円を源泉所得税等30万円を控除後、現金で支払った。なおY社は、賞与引当金の繰入れを毎月80万円ずつ計上しており、賞与支給対象期間分480万円を取り崩す。

仕訳

  借方 貸方
1. 賞与引当金繰入額 800,000 賞与引当金 800,000
2. 賞与引当金
 
4,800,000
 
現金
預り金
4,500,000
300,000

解説

従業員に対する「賞与」の本来の性格は、業績向上による利益の配分であると考えられていました。現在は、就業規則の中にも明示され、夏期と冬期(年末)に賞与を支払うことが慣習化しており、給与の追加払い的な性格としてとらえられているところもあります。

◎引当計上
利益の分配であれば、賞与を確定させて、支払った月に費用処理すればよいのですが、給与の追加払いであり、支給することが確実であれば、給与規定や前年度との対比によって予定額を毎月引き当てる方が合理的ですし、毎月の会社の経営状態が正確に把握できます。

◎賞与引当金の税務上の扱い
ただし、法人税法上、賞与引当金繰入額は損金算入されません。したがって、その期末において、翌期に支払う賞与を(期中および決算を含めて)引き当てて費用計上している場合、その引当て部分は損金(税務上の費用)とはならないので注意してください。

著者:千田喜造(税理士)