ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[給与] 締切後の給料を処理した

設例

当社の給与は毎月20日締切り、同月の25日払いとし、支払日に給料手当として費用計上をしている。今月は決算であるが、21日~月末までの給与は80万円である。なお、役員報酬は日割りにして計算すると30万円となる。

仕訳

借方 貸方
給与 800,000 未払金 800,000

解説

従業員に対する給与については、労働の対価ですから日々の労働につき、雇用者には支払義務が発生し、被雇用者には給与を請求する権利が発生します。よって、通常支給時(設例では25日)に費用計上していても、決算においては、〆後以降月末までの給与を計算して未払い計上する必要があります。
この場合の〆後以降月末までの給与の計算方法としては、
  1. 超過勤務手当等の変動する手当を実際にそれが行なわれた日に正しく計算する方法
  2. 著しい変動手当は除いて、超過勤務手当等を含めて翌月支給の給与を日割り計算する方法
が考えられます。

◎役員に対する報酬の未払い計上
一方、役員に対して支給する報酬は、会社の経営に関する総括的な委任業務の対価といえます。「委任」に対する報酬は、その委任業務を履行したあとでなければ請求することができないという民法の考え方により、〆後以降月末までの給与の未払い計上は、一般的にはなじまないものと考えられます。ただし、税務上の使用人兼務役員における使用人分の給与は未払い計上して差し支えないものと考えます。

著者:千田喜造(税理士)