ビジネスわかったランド (経理)

販売費・一般管理費関連の仕訳

[役員報酬・給与] 使用人兼務役員に報酬・給与を支払った(1)

設例

取締役営業部長の給料は50万円である。このうち取締役としての報酬は2万円であり、残りは営業部等としての給与である。源泉所得税等6万円を控除して、残りは普通預金から振り込んだ。

仕訳

借方 貸方
役員報酬
給与
(販売費及び一般管理費)
20,000
480,000
普通預金
預り金
440,000
60,000

解説

◎使用人兼務役員
法人税法上、「使用人兼務役員」という地位があります。これは、役員のうち、部長、課長等の職制上の地位を有し、かつ常時使用人としての職務に従事している者をいいます。ただし、次のような者は使用人兼務役員にはなれません。
  1. 社長、副社長、代表取締役、専務取締役、常務取締役等と監査役等
  2. 合名会社と合資会社の業務執行役員
  3. 同族会社のうち一定の者(実質的に会社の経営に従事していると認められる者)
上記の者に対する給与は、使用人部分はなく、すべてが役員報酬となります。平取締役等が使用人兼務役員の該当者と考えられます。

◎「経営に従事」とは
職制上の地位が単なる使用人であっても、(1)得意先、仕入先の選定およびそれらとの取引価格の決定、(2)従業員に係る増減、給与・賞与の決定、(3)重要な設備投資の規模、金額の決定、(4)金融機関との借入の決定および交渉等の経営にかかる重大な問題の決定権を有している者は、「役員」とみなして、法人税の課税を受ける場合があります。

著者:千田喜造(税理士)